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犬が交尾もしτないのに妊娠の兆候

避妊していない雌犬を飼っていると、半年周期くらいで発情期がくるのを避けることはできません。だいたい三週間前後は生理の出血があり、小型犬より中型犬、さらに大型犬と犬が大きくなるにつれ出血量も多くなります。
また、その期間の雌犬の発するニオイは雄犬にとっては刺激的で、場合によっては散歩中に襲われるかもしれません。散歩コースで雄犬と会うことがわかっていたらコースを変える、時間帯をずらすなど、ほかの犬に出会わないような考慮もしなければなりません。
それだけ気をつかって交尾させないようにしたのに、なぜか愛犬のおなかが急にふくらんで、なんとオッパイまで出るように......。妊娠していないはずの雌犬がそんな妊娠の兆候を示すことがあります。母性に目覚めて想像妊娠したのだと思って、「そんなに赤ちゃん生みたい?」と、愛犬に同情を寄せる飼い主もいそうです。
けれど、これは人間の想像妊娠でみられるような精神的な原因ではなく、ホルモンの影響だろうということが最近わかってきました。そのため、妊娠していない雌犬が、妊娠したような体の状態になることは、想像妊娠ではなく、「偽妊娠」という表現が使われています。
偽妊娠が起こるのは、野生時代の習性の名残のひとつと、オオカミの研究から推測されています。オオカミは群れの中に赤ちゃんが生まれると、母オオカミともう一頭の雌オオカミが一緒になって子育てをすることがあります。
このとき協力者の雌オオカミが示すのが偽妊娠で、授乳も可能になります。卵巣から窺溺されるホルモンが作用して、妊娠したときと同じ状態になるのだそうです。
雌犬の偽妊娠は、子育てをするための雌オオカミのこの行動が受け継がれたものだというのです。


偽妊娠が単純にホルモンの作用によるものだとしても、偽妊娠状態になった雌犬は、実際の妊娠とほぼ同じ行動をとります。まるで「つわり」のように食欲が落ちたり吐いたり、また出産に備えた体力づくりとばかり餌をもりもり食べるようになったりします。
出産に備えて部屋の隅やベッドの下など、狭くて身を守りやすい場所に巣づくりも始めます。お気に入りのクッションや膝かけなどを運び込み、丸めて寝床をつくるのです。といっても、いつまでも赤ちゃんは生まれないわけですから、小さな縫いぐるみを巣に持ち込み、おなかに抱え込んで授乳のような姿勢をとることもあるでしょう。
偽妊娠は、ほとんどは一定の期間が過ぎれば収まります。ただときには乳房が張ったまま、吸ってくれる赤ちゃん犬がいないため苦しむコもいます。

乳腺炎などの病気になる危険も増しますから、そんな場合は獣医の診察を受けたほうがいいでしょう