犬 犬のしつけ 子犬のしつけ方

伏せ、おうち、つけ

に伏せをしつけ
「伏せ」はしつけの鍵です。
ここでは、自然に備わっている犬の行動を導き、あるいは制御し、実りあるものにすることをしつけといい、訓練とはむしろ犬を洗脳し、機械のようにして、訓練者が機械のボタンを押すものと解釈します。


「伏せ」は狩猟犬のしつけの鍵ですが、同伴犬にとっても同様です。これを学ぶことによって、
犬の生活はより快適となり、家、訪問先、レストラン、ホテルなどで人の邪魔になることが少なくなります。こうなれば、どこへでも同伴できるようになって犬の生活はより充実し、経験豊かなものとなりますし、何より飼い主の留守中、ひとりで退屈することも少なくなるでしょう。「伏せ」は「座れ」を教えるのに成功しているならそう難しいしつけではありません。ローレ
ンツは、しつけに最も不向きな人ですらこのしつけには成功するに違いない、といっています。

彼によると、このしつけは生後7〜11か月に開始するのがいいとしています。しかし、我々はやさしいやり方で、犬があまり興奮していない状態の時に行うなら、もう数か月早く始めても何ら差しつかえない、と考えています。
消極的な方法として、犬がたまたま横たわっている時に「伏せ」と繰り返し言葉でいってやり、積極的手段としては強制的にこの体位をとらせるようにします。
犬の視野に手を出し、「伏せ」といいながら手を地面に下げます。何回か繰り返し、犬が頭を下げたら褒めてやります。
もし犬が伏せなければ、前足を引き、犬を褒めます。
この方式でうまくいかなければ、首と腰に手をかけ、「伏せ」といいながら、優しく、しかし毅然とした態度で犬を地面に押しつけます。
犬に綱がついていれば、命令をすると同時に綱を地面のほうに引くか、靴の底(滑車の役割をする)に綱をかけて滑らせながら上方に引けば、犬は地面に押さえつけられてしまいます。
最初から理解する犬もあれば、数回繰り返さなければならないこともあるでしょう。自発的に、あるいは強制的に「伏せ」をさせ、手で犬を制して「待て」、そこで褒美を与えて2歩下がり、「来い」で命令を解除してやります。
最初は、犬が自発的に伏せる場所で訓練を行い、最後にはいかなる場所でも命令に従うよう練習します。

高度の訓練に進む予定の犬が、「座れ」の後で命令をしないのに「伏せ」の姿勢に入るのは
好ましくありません。二つの動作はまったく別のもので、命令もそれぞれ異なっているのです。
しつけは遊びであってはならず、犬が仰向けになり、足を空中に上げたりするのを許してはいけません。腹を地面につけ、後ろ足は畳み込み、前足は伸ばし、頭は低く、が正しい姿です。この姿勢に直してやります。
近くで「伏せ」ができたら、段々と遠距離で練習します。命令は即座に実行されなければい
けません。従わない場合は、犬のいる場所に行って、強制的に実行させます。遠距離の場合は、
声に続いて呼び笛を長く、ピィー、と吹いてやります。手で犬を制して「待て」、腿を掌で叩きながら「来い」。そして、ご褒美です。「来い」そのものがすでに褒美にもなっているのです。
ついでさらに進んで、離れた所で「伏せ」をさせ(もちろん「待て」を加える)、あなたは動き、走り、隠れますが、犬は動いてはいけません。最後に命令を解除して「来い」をいってやります。
狩猟者は、獲物が逃げる時に狩りを邪魔させないため、鉄砲の音と同時に伏せの姿勢をとる
ことを教えますが、同伴犬の場合は前述したしつけで十分でしょう。
もし犬が練習に気が進まない様子を示したなら、翌日に延ばしましょう。犬は義務感で従うのではなく、その気になるから命令を実行するのです。練習が犬にとって、うんざりした、あるいは単調なものにならないように注意しましょう。そうなればよい結果は得られないものです。
犬のそばから立ち去る時、何か物を置いてやりなさい。こうすると犬の寂しさが紛れますし、それがあなたの帰りを保証するものと受け止められるのです。ですからローレンツによれば、誰かがそれを取ろうとすると絶望的なまでの勇気で守るというわけです。練習はまず静かな場所で、ついで人通りの多い公共の場所などで行います。

しかし、市の立つ日の歩道に犬を「伏せ」のままおくことはおすすめできません。しつけは結構ですが、拷問はいけません!
この練習こそは「肯定的強化」の典型で、体罰は絶対に許されません。

に「伏せ」のしつけをする要点
①犬を座らせ、その視野に手を置き、「伏せ」と命じながら手を地面に下げる。
②もし犬が頭を下げたら褒めてやる。
③①と②を繰り返し、犬が伏せたら、強く褒めてやる。
④①〜③を数日にわたって何回も行う。
⑤もしうまくいかない場合は、犬が頭を下げたなら、前足を持って引き、犬を伏せの姿勢にして褒めてやる。
⑥⑤を何度も繰り返す。

⑦それでも成功しなければ、首筋と腰を押さえ、命令を繰り返しながら強制的に「伏せ」をさせる。ついで褒美を与える。
⑧⑦を必要なだけ繰り返す。
⑨犬が脇で伏せたら、一歩下がってから「来い」をいってやる。
⑩伏せている時間を徐々に長くする。
⑪ついで「待て」と命じ、犬から離れ、最後に「来い」により命令を解除してやる。
⑫犬の周囲を飼い主が回っても、犬は伏せたままでいなければならない。
⑬徐々に離れた所から「伏せ」を命じる。
⑭猟犬の場合は銃の音で伏せるようにしつける。

におうち(ハウス)をしつけ
「伏せ」の変形として、部屋の隅、自分の小屋、毛布、長椅子など、犬が眠る、常に同じ場所に行くようにしつけることも可能です。まず、犬が好んで休む場所(犬によっては暖かい、あるいは涼しいなど好みがある)を定め、ついで命令の言葉を選びます。「おうち」「ベッド」など何でもいいでしょう。
このしつけは非常に幼い犬に対しても、受動的方式(犬が自発的に自分の場所に寝に行った時、命令を繰り返してやる)で実行が可能ですし、犬を所定の場所に連れていき、そこで「伏せ」をさせる能動的な方法でも行うことができるでしょう。


犬が逃げ出そうとしたら、その場所に「伏せ」をさせ、しばらくして「来い」と呼んでやります。
徐々に時間を延ばし、褒美、愛撫など、肯定的強化の手段で報いてやることはもうおわかりでしょう。
この練習は大変な価値があります。「おうち」のしつけをしておけば、友人たちの集まりの際、犬があなたの足にまつわりついて客人から嫌われることもなくなり、何よりも、犬はより多くの時間をあなたと一緒に過ごせ、その結果たくさんの人に慣れることができます。

もし犬がいろいろな邪魔をすれば、あなたは犬を、車庫、台所、酒蔵などに閉じ込めることでしょう。
こうすれば、社会的でありたいとする犬の感性の法則を破る結果となります。社会的存在になれない、あるいは自由が与えられないといった不満は、パブロフの条件反射を生み出し、「すべての会合や人の訪問は、孤独という不愉快な事態を引き起こす」と犬に教えてしまうのです。
訪問者を攻撃するような事態が結果として起きないと、どうしていえるでしょうか。
「おうち(ハウス)」のしつけは、縄張りを守る攻撃的態度の芽を摘み取るものでもあるのです。

に「つけ」をしつけ
次の練習は「つけ」です。これはより困難ではありますが、買い物に犬を連れて出る際、犬に常時引っ張り回されるのを好まない人にとって、大変有意義なしつけです。

このしつけは、常に同じ側の踵、あるいは膝の線に犬をつけて歩かせようというもので、右利きの人は左(猟犬においては、右肩に当てた銃の薬英は右に飛び出すので左にいる犬の上に落下しない)、左利きは右が原則です。もしあなたが狩猟家ではなく、この原則が気に入らないとしても、グループで行う訓練では、常に犬は左につけなければならない、ということだけは記憶しておいてください。一度つける側を決めたら、変更してはいけません。

犬につけた綱を短く持ち、頭を膝の線において「つけ」と繰り返します。犬には軽い引き綱に慣れさせたほうが、後に綱なしの「つけ」を教える時にうまくいきます。
もし犬が遅れるようなら、少し綱を引きます。犬が先に出たら、綱の端で軽く鼻づらを叩いてやりましょう。それでも効果がなければ、狭い道で壁際を歩き、犬があなたの後方に留まらざるを得ないようにします。
もう一つのやり方も大変役に立ちます。
訓練者は綱を右の後ろ手に持ち、犬が前に出たら鋭く綱を引きます。このやり方をすると犬は綱が見えないため、「つけ」と綱を結びつけず、綱なしのしつけに入るのが容易でしょう。


犬が常に前に行くなら、訓練者は90度、あるいは180度の方向転換をして、犬が先導しようとする行為(支配性の発露)を不可能にします。
犬が前に出たら左に曲がって足を犬にぶつけ、犬が左方向に引っ張るなら右に曲がれば、犬は急いでついて来ざるを得なくなります。方向を変えると犬の体の横方向に綱を引くこととなり、真後ろに引くより効果があるので、大きな犬には特に有効です。
何キロも練習し、犬がうまく歩けるようになったら、綱にたるみをつけ、ついで離して、最後には綱を外します。もし犬が再び離れるようになったら、綱をつけます。早くやりすぎた、と後悔せず、前の段階に戻り、ゆっくり訓練しましょう。最初は静かな所で、次に人込み、最後に駅の構内、公共施設などで練習します。
犬が完全に命令に従うようになったその日から、「伏せ」、ついで「待て」、そして「つけ」などを組み合わせて練習を行います。